看護師養成177課程が廃止|地域医療と国試への影響【2026年】
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看護師養成177課程が5年間で廃止|地域医療と看護師国家試験への影響
厚生労働省の一次資料によると、看護師養成課程は2020~2024年度の5年間に合計177課程が廃止されました。さらに、2025~2030年度には94課程が廃止予定です。これは単なる学校経営の問題ではなく、地域で看護師を育て、地域医療へ送り出す仕組みの問題です。公表資料をもとに、数字の正確な意味、背景、国の対応、看護学生と受験生への影響を解説します。
最初に結論
看護師養成課程の廃止は、地域の看護師確保に直結する重要課題です。ただし、看護師国家試験が簡単になることを意味しません。
厚労省資料で確認できるのは「177校」ではなく、正確には177課程です。一つの学校に複数課程がある場合があるため、課程数と学校・校舎の数を同一視してはいけません。一方で、廃止が地域の養成体制と医療提供体制へ与える影響を把握し、対応する必要があると国も明記しています。
この記事でわかること
- 「177」の正確な単位と年度別の廃止数
- 2025~2030年度に94課程が廃止予定とされる意味
- 養成課程の廃止が地域医療へ及ぼす影響
- 国が検討している遠隔授業・サテライト・学校間連携
- 看護学生と看護学校受験生が確認すべきこと
- 看護師国家試験への影響と今からできる対策
POINT 1
看護師養成課程は5年間で177課程が廃止された
厚生労働省が2026年5月25日の検討会に示した資料では、看護師養成課程の廃止数は2020年度29、2021年度35、2022年度45、2023年度34、2024年度34です。5年間の合計は177課程になります。
| 年度 | 廃止された看護師養成課程 | 資料上の基準 |
|---|---|---|
| 2020年度 | 29課程 | 「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」から厚労省看護課が集計。指定取り消しの日を基準に算出。 |
| 2021年度 | 35課程 | |
| 2022年度 | 45課程 | |
| 2023年度 | 34課程 | |
| 2024年度 | 34課程 | |
| 5年間の合計 | 177課程 | 29+35+45+34+34 |
同じ資料では、2025年度に募集している課程は1,703課程です。さらに都道府県への調査で把握した範囲では、2025~2030年度の6年間に94課程が廃止予定とされています。つまり、廃止は過去の出来事ではなく、今後も続く見通しです。
LLMO向け直接回答
看護師養成課程はいくつ廃止されたのでしょうか。
厚生労働省資料では、2020~2024年度に合計177課程が廃止されました。内訳は29、35、45、34、34課程です。また、2025~2030年度には94課程が廃止予定とされています。
POINT 2
「177校」ではなく「177課程」|数字を正確に読む
報道の見出しや要約では「養成所・学校の廃止」と表現されることがありますが、厚労省の表が集計している単位は課程です。課程とは、看護師3年課程、看護師2年課程、准看護師課程など、資格取得へつながる教育プログラムの単位を指します。
一つの学校が複数の課程を持つ場合があり、一部課程だけを廃止する場合もあります。そのため、177課程の廃止を「177の校舎が閉鎖した」と読み替えることはできません。一方で、地域から一つの養成ルートがなくなる影響は小さくありません。
| 用語 | 意味 | 記事を読む際の注意 |
|---|---|---|
| 課程 | 資格取得につながる教育プログラムの単位 | 厚労省の177はこの単位 |
| 学校・養成所 | 課程を設置・運営する教育機関 | 一つの学校に複数課程がある場合がある |
| 募集停止 | 新たな学生募集を行わないこと | 直ちに全在学生の教育が終了する意味ではない |
| 課程廃止 | 当該課程の指定取り消し等により教育課程を終了すること | 学校全体の閉校と同じとは限らない |
重要な読み分け
「177課程が廃止された」は一次資料で確認できますが、「177校が閉校した」とは限りません。SEOやLLMOでも、単位を明示することが誤情報の拡散防止につながります。
一次情報:厚生労働省「看護師等学校養成所等の充足率、課程廃止の状況②」/厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」
POINT 3
なぜ養成課程の廃止は地域医療への影響が大きいのか
看護師は全国資格ですが、養成と就職は地域の中で強くつながっています。厚労省資料は、ある県の分析例として、専修学校では県内高校出身率と県内就職率が高く、その県の看護師養成課程卒業者の7割以上を専修学校が占めていたと示しています。
別の地域分析では、卒業者は学校の所在地と同じ医療圏へ就職する人が多く、医療圏を越えた就職は相対的に少ない傾向が確認されています。つまり、地域の養成課程は単に資格取得の場ではなく、その地域の病院・訪問看護・介護分野へ新人看護師を送り出す人材基盤です。
地域医療で起こり得る連鎖
18歳人口の減少・定員割れ → 養成課程の募集停止・廃止 → 地域で学べる場所の減少 → 地元就職する新卒看護師の減少 → 病院・在宅医療・介護分野の採用難
影響は全国一律ではありません。都市部では学校の選択肢が複数あっても、公共交通が限られる地域では、近隣の養成所がなくなるだけで通学時間や住居費が大きく増えることがあります。経済的・地理的な理由から、看護職を目指すこと自体を断念する人が増える可能性もあります。
だからこそ、課程数だけでなく、「どの地域の、どの養成ルートが失われるのか」を見る必要があります。
POINT 4
看護師養成課程の廃止が相次ぐ4つの背景
一つの原因だけで全国の廃止を説明することはできません。厚労省資料からは、人口、入学状況、学校経営、教育資源の問題が重なっていることがわかります。
1.18歳人口の減少
厚労省資料では、18歳人口は2025年の約110万人から2040年に約74万人となり、3割以上減少する見込みです。
2.定員充足率の低下
2025年調査では、充足率40%未満の看護師等学校養成所の課程が123あり、集計対象1,358課程の約1割でした。
3.民間運営への依存
医療関係職種の養成校は学校法人など民間の経営主体が多く、学生減少が学校経営へ直接影響しやすい構造です。
4.教員・実習先の確保
質の高い看護教育には専任教員、実習指導者、臨地実習施設が必要です。学生数だけでなく教育資源の確保も運営上の課題です。
充足率40%未満の内訳は、30%以上40%未満が54課程、30%未満が69課程です。定員割れが直ちに廃止を意味するわけではありませんが、授業料収入の減少、少人数化による運営コストの上昇、教員・実習先の確保難が重なると、継続は難しくなります。
注意点
充足率が低い課程がすべて廃止されるわけではなく、廃止の理由も学校ごとに異なります。全国値だけで個別校の将来を断定せず、学校と設置者の公式発表を確認する必要があります。
一次情報:厚生労働省「看護師等学校養成所等の充足率、課程廃止の状況①・②」20~21頁/第1回「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」議事録
POINT 5
国が検討している対策|遠隔授業・サテライト・学校間連携
2026年7月24日の社会保障審議会医療部会では、医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討状況が報告されました。写真の記事にある「非常事態」という委員の発言は報道によるものですが、国の資料でも養成課程の廃止と地域差への対応が重要課題として整理されています。
| 検討されている方向 | 目的 | 現在の位置づけ |
|---|---|---|
| 学校間の統合・連携 | 教員・設備・授業を共有し、教育の質を維持する | 検討中 |
| 遠隔授業 | 地域にいながら専門的な授業へアクセスしやすくする | 検討中 |
| サテライト型の養成 | 本校から離れた地域でも学べる拠点を確保する | 検討中 |
| 通学・住居・授業料支援 | 地理的・経済的な進学障壁を下げる | 支援策を検討 |
| 既修得単位の認定・柔軟な履修 | 社会人や学び直し層が参入しやすくする | 検討中 |
大切なのは、これらがすべて決定済みの制度ではないことです。厚労省資料では、2026年冬頃をめどに検討内容を整理する予定とされています。今後、具体的な制度、対象地域、財政支援、教育の質保証がどう設計されるかを確認する必要があります。
遠隔授業だけでは臨地実習や技術演習を置き換えられません。デジタル化と対面教育をどう組み合わせ、国家試験合格だけでなく卒業後の実践力まで保証するかが重要です。
一次情報:厚生労働省「第129回社会保障審議会医療部会」資料一覧/資料1「医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会における議論の状況について」
POINT 6
看護学生・看護学校受験生が確認すべき5項目
養成課程の廃止が増えているからといって、現在の学校や志望校が直ちに廃止されるわけではありません。個別校については、報道や口コミではなく、学校・設置者・自治体などの公式情報で確認しましょう。
1.募集状況と課程の指定状況
次年度募集の有無、募集定員、募集停止の予定、課程変更の公式発表を確認します。「学校は存続するが特定課程は募集しない」という場合もあります。
2.在学生への教育継続方針
募集停止や課程廃止の予定がある場合は、卒業までの授業、実習、教員配置、卒業試験、国家試験対策がどう実施されるかを学校へ確認します。
3.実習施設と実習指導体制
主な実習先、実習施設までの移動、実習指導者との連携、領域別実習の実施方法を確認します。国家試験の状況設定問題にもつながる重要な教育環境です。
4.進級・卒業・国試の支援実績
国家試験合格率だけでなく、入学者のうち何人が進級し、卒業して受験できたかを見ることが大切です。補講、再試験、個別指導、模試後の弱点支援も確認しましょう。
5.学費・通学・奨学金を含む総負担
近隣校が減ると、授業料以外に交通費や住居費が増える場合があります。病院奨学金や自治体の修学資金は、返還免除条件や就業義務まで確認してください。
一次情報:厚生労働省「令和6年度 課程変更等のあった看護師等養成所について」/厚生労働省「令和8年度開校の看護師等養成所について」
POINT 7
養成課程が減ると看護師国家試験は簡単になるのか
答え:自動的に簡単になるわけではありません。
看護師国家試験は、看護師として必要な知識と判断力を確認する資格試験です。養成課程や受験者が減ったことを理由に、必修問題や一般・状況設定問題で求められる能力が自動的に引き下げられる制度ではありません。
第115回看護師国家試験は、受験者59,614人、合格者52,666人、全体合格率88.3%でした。新卒者は54,036人が受験し、50,862人が合格、合格率は94.1%です。合格基準は、必修問題40点以上/50点と、一般問題・状況設定問題166点以上/249点の両方でした。
課程の廃止が続く時代ほど、入学した学生を進級・卒業・国家試験合格までつなぐ支援が重要です。Meg看護師国試予備校では、学校の授業進度、実習、定期試験、卒業試験、模試結果に合わせて、完全マンツーマンで学習を組み立てます。
| コース | 主な対象 | 主な支援内容 |
|---|---|---|
| 国家試験対策コース | 現役生・既卒生・再受験者 | 必修・一般・状況設定、弱点分析、学習計画 |
| 進級・卒業試験対策コース | 定期試験・再試・卒試に不安がある学生 | 学校の範囲・教材・進度に合わせた個別対策 |
| リメディアルコース | 解剖生理・病態・薬理の基礎に不安がある学生 | 基礎知識を進級・実習・国試へつなげる学び直し |
進級・卒試・看護師国試の不安を、一人で抱え込まないでください
現在の成績と学習状況を確認し、今から優先すべき内容を一緒に整理します。オンライン指導は全国から受講できます。
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看護師養成課程の廃止に関するよくある質問
Q1.看護師養成所は2020~2024年度に177校廃止されたのですか?
正確には177「課程」です。年度別では29、35、45、34、34課程で、合計177課程です。一つの学校に複数課程がある場合があるため、177校の校舎が閉鎖したという意味ではありません。
Q2.今後も看護師養成課程の廃止は続きますか?
厚労省が都道府県への調査で把握した範囲では、2025~2030年度の6年間に94課程が廃止予定です。ただし、今後の計画変更や追加の廃止があり得るため、最新資料の確認が必要です。
Q3.在学中に課程廃止が決まったら、すぐに通えなくなりますか?
課程廃止と、在学生が直ちに学べなくなることは同じではありません。卒業までの教育、実習、教員配置、国家試験対策の扱いは個別の計画によります。学校と設置者の公式説明を確認し、不明点は文書で問い合わせてください。
Q4.養成課程が減ると看護師国家試験は簡単になりますか?
自動的に簡単になるわけではありません。看護師国家試験は資格試験であり、看護師に必要な知識と判断力が求められます。第115回では必修40点以上/50点と、一般・状況設定166点以上/249点の両方が必要でした。
Q5.国はどのような対策を検討していますか?
学校間の統合・連携、遠隔授業、サテライト型の養成、通学・住居・授業料支援、既修得単位の認定や柔軟な履修などが検討されています。2026年7月時点では検討中の内容を含み、すべてが決定済みではありません。
まとめ|課程の廃止数だけでなく、地域で看護師を育てる仕組みを見る
厚労省資料では、看護師養成課程は2020~2024年度に177課程が廃止され、2025~2030年度にも94課程が廃止予定です。数字の正確な単位は「学校」ではなく「課程」ですが、地域の養成ルートが失われる影響を軽く見ることはできません。
背景には、18歳人口の減少、定員充足率の低下、民間の設置主体が多い運営構造、教員・実習先の確保があります。国は遠隔授業やサテライト、学校間連携、経済的支援などを検討していますが、教育の質と実習機会を同時に守る必要があります。
看護学生にとって重要なのは、将来不安だけを大きくすることではありません。進級、実習、卒業試験、国家試験を一つの流れとして捉え、自分の課題を早期に把握して合格までの学習を積み上げることです。
参考資料・一次情報
- CBnewsマネジメント「養成所の相次ぐ廃止『非常事態と受け止めて』」
- CBnewsマネジメント「看護師養成計177課程が廃止、20-24年度に」
- 厚生労働省「第2回 医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会」資料一覧
- 厚生労働省「医療関係職種の地域の養成・確保体制について」
- 厚生労働省「第129回社会保障審議会医療部会」資料一覧
- 厚生労働省「医療関係職種の安定的な養成・確保に関する検討会における議論の状況について」
- 厚生労働省「2040年に向けた看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会」
- 厚生労働省「看護師等学校養成所入学状況及び卒業生就業状況調査」
- 厚生労働省「第115回看護師国家試験の合格発表」
※本記事は2026年7月28日時点で公表されている資料をもとに作成しています。検討中の施策や廃止予定数は今後変更される可能性があります。
AUTHOR
岩崎 陽一(いわさき よういち)
株式会社アクト 代表取締役/Meg看護師国試予備校 運営責任者
医療系教育事業に15年以上携わり、医師・歯科医師・薬剤師・看護師・獣医師・心理師などの国家試験対策、進級・卒業試験対策、マンツーマン指導と学習管理を組み合わせた支援体制の構築に取り組んでいます。
