薬学部卒業留年生の卒業試験と薬剤師国家試験対策の年間スケジュールと勉強法

 

薬学部では見た目の合格率を上げるために卒業留年が多くなる傾向があります。

医学部や歯学部でも同じような戦略を取っている大学は多いのですが卒留制度に関しては薬学部独特の事情があります。

薬学部の卒業留年に対する批判は多く聞かれます。そのため薬学部に進学することを忌避したり薬剤師国家試験6年間ストレート合格率で進学する大学を決める方が多くいらっしゃることを承知していますが、ここではいかに卒業留年になったときに国家試験に合格できるかを解説します。

なぜ薬学部の卒業留年で薬学部国家試験対策が難しいのか

薬学部では卒業試験に合格できなければ卒業延期になりもちろん薬剤師国家試験は受験できません。

翌年度の夏に卒業試験を受け合格すれば秋に卒業できます。

ほとんどの卒留生はここで卒業できますが卒留生が次の薬剤師国家試験に合格するためには、明確な学習計画と効率的な勉強方法が欠かせません。

特に卒留生の多くは卒業試験への準備に集中するあまり、国家試験対策を始めるのが遅れてしまうという課題を抱えています。

薬学部卒留生が陥ってしまう罠

卒業試験は過去問中心の出題が多いため過去問の答えを覚えると合格できるという意識になりがちです。

医学部、歯学部の卒業留年では一年間の履修となりますので薬学部の学生独特のマインドです。

そのた卒業試験に向けた勉強はCBT対策のように暗記に偏りがちで、国家試験で求められる考察力や分野横断的な問題への対応が不十分になることが少なくありません。

さらに卒業試験を経て半年遅れで卒業してその後国家試験を受験するスケジュールでは、国家試験の直前期に十分な準備時間を確保することが難しくなります。

 

薬学部卒業留年生が薬剤師国家試験に合格するためのスケジュールとは?

 

卒業留年生の国家試験対策は、通常の学生以上に計画的かつ効率的な学習が求められます。しかし、適切な戦略と努力を重ねることで、卒業試験と国家試験の両方に合格することは十分に可能です。自身の状況を客観的に分析し、最適な学習計画を立てて、着実に実行していくことが成功への鍵となります。

今回は、こうした状況を踏まえ、卒業試験と国家試験の両立を実現するための月ごとの学習計画と勉強法を提案します。

卒業試験対策期間(4月~7、8月)

 

卒業試験の準備期間では、学習の基礎を固め、過去問の徹底的な分析を行うことが重要です。月ごとの学習計画は以下の通りです。

 

4月: 基礎固め

卒業試験の過去問題を1~2年分解いて出題傾向を把握

卒業試験は薬剤師国家試験の直近3~5年分や卒業試験の過去問題から出題される傾向にあります。早くから過去問題に目を通しておくことで出題傾向を把握し、その分野について勉強しておくことができます。

苦手分野や弱点科目を確認し、参考書や教科書で基礎を復習

過去問題演習を通じて、苦手分野や弱点科目を浮き彫りにし、早めに対策をとっておくと後で楽になります。

その他の留意点

  • 国家試験で必須となる基本事項(物理・化学・生物)を復習。
  • 基本事項を暗記するのではなく、理解することを優先。
  •  

勉強する習慣をこの時期に確立させ、1日の学習時間をある程度確保しよう!

5月: 過去問の徹底分析

過去数年分の卒業試験の問題を解き、分野ごとの出題頻度を整理

よく出る問題を繰り返し解き、完璧にしておきましょう。卒業試験と国家試験の関連性を意識しながら学習し、関連する国家試験の問題にも取り組み、知識を広げることが大切です。

解けなかった問題を重点的に復習

解ける問題は簡単に見直し、解けなかった問題はしっかりと理解し、暗記できるまで何度も復習しておきましょう。

その他の留意点

  • よく出る問題を繰り返し解き、完璧にする。
  • 関連する国家試験の問題にも取り組み、知識を広げる。
  • ポイント:
  • 卒業試験と国家試験の関連性を意識しながら学習。

 

6月: 知識の定着と応用力の養成

分野横断的な問題を解き、科目間の関連性を意識

卒業試験の過去問題だけでは分野横断的に学習するのは難しいので、国家試験の過去問にも挑戦し、知識の幅を広げるのも良いでしょう。

問題は解くだけではなく、間違えた箇所は訂正し解説付きで復習

問題を解く際には、正答肢だけを覚えるのではなく、誤答肢を訂正し、正しい知識を覚えるようにしましょう。

その他の留意点

  • 過去問以外の問題集にも挑戦し、知識の幅を広げる。
  • グループ学習やディスカッションを通じて考察力を養う。
  • 国家試験で問われる考察力を意識。

 

7月~8月: 最終調整

卒業試験直前の模擬試験を受け、実戦形式に慣れる

実際に模擬試験を受けると、圧倒的に時間が足りないと感じると思います。特に必須は時間配分を意識した練習をしましょう。本番を想定した時間配分で問題を解く練習を重ね、各科目の配点と問題数を把握し、効率的な解答順序を決めるのも重要です。見直しの時間も確保しておきましょう。

出題傾向に沿った重点分野の確認や弱点を補強

難問にこだわりすぎず、確実に得点できる問題を優先し、確認していきましょう。

メンタルケアと体調管理を徹底し、本番に挑む

リラックス法(深呼吸、軽い運動など)の練習や睡眠リズムの調節をしておくと、不安や緊張してもいつも通りの実力を発揮できるようになります。

過去の経験を活かす

留年した原因を振り返り、同じ失敗を繰り返さないよう注意しましょう。留年を単なるマイナス経験ではなく、より良い薬剤師になるための機会と捉え、前向きにきに学習に取り組みましょう。

 

 

国家試験対策期間(9月~翌2月)

 

国家試験対策では、模擬試験を活用しながら総合的な力を養います。

 

9月: 国家試験対策開始

模擬試験(1回目)を受験し、現状の課題を明確化

模試の結果を分析し、優先的に取り組む分野を決め、苦手分野を中心に復習し、基礎知識を補強していきましょう。さらに分野ごとの目標点を設定することで、現状との距離を数字化して危機感を持つとモチベーションも保てます。とにかく直前まで苦手を残さないようにするのがポイントです。現状分析をもとに学習計画の見直しもしましょう。

その他の留意点

  • 分野ごとの目標点を設定。
  • 模試の結果を分析し、優先的に取り組む分野を決める。
  • 苦手を残さないようにする。

 

10月~11月: 応用力の強化

分野横断的な問題に集中し、応用力を高める

国家試験の過去問演習を通じて、解答プロセスを導くスキルを磨きましょう。国家試験でよく出る考察問題を中心に練習すると応用力も付きます。

11月の模擬試験(2回目)に向けた準備

模試を通じて進捗と実力を確認し、計画を修正することで、改題の最終整理を行ってください。国家試験合格までの距離を明確化しておきましょう。2回目の模試から本番を想定した時間管理を練習するように心がるのも良いです。

その他の留意点

  • 模試を通じて進捗を確認し、計画を修正。

 

12月~1月: 総仕上げ

模擬試験(3回目)を受験し、本番を想定した練習

時間配分を意識しながら模擬試験を受験し、試験当日に備えましょう。模試の結果をもとに、不足している部分を補強し、苦手分野の最終確認しておくことで、1点でも多く得点できるようにしておくことが重要です。

重要項目の最終チェック

試験直前に確認すべき重要項目をリスト化し、効率的な最終確認を行います。このリストには、頻出の法規制や数値、重要な化学構造式や反応機構、よく出題される副作用や相互作用などがあります。

過去問の見直しと頻出分野の最終確認

重要事項をまとめたノートやプリントなどを隙間時間にこまめに復習しましょう。

その他の留意点

  • 知識を網羅するだけでなく、効率よく復習する。
  • 模試の結果をもとに、不足している部分を補強。

 

2月: 薬剤師国家試験最終確認

頻出分野の確認と暗記

新しい問題に取り組むよりも、これまでの復習に専念することをお勧めします。特に頻出分野の確認と暗記は必須です。

直近の薬剤師国家試験の過去問を1回分解き、本番の感覚をシミュレーション

この際に、直近の最新の医療情報や新薬、法改正などに注意を払い、アップデートされた知識を身につけましょう。

メンタルケアと体調管理を徹底

本番で自信を持てるように準備するのと、規則正しい生活と適度な運動を心がけ健康管理を徹底しておいてください。

その他の留意点

  • 新しい問題に取り組むよりも、これまでの復習に専念。
  • 本番で自信を持てるように準備。

 

模擬試験の活用法

 

模擬試験は、学習の進捗を確認し、弱点を克服する重要な機会です。

  1. 9月(1回目): 現状把握と学習計画の見直し。
  • 模試後に弱点分野を洗い出し、復習に役立てる。
  1. 11月(2回目): 実力の確認と課題の最終整理。
  • 本番を想定した時間管理を練習。
  1. 1月(3回目): 最終確認。
  • 本番同様の環境で練習し、試験当日に備える。

 

CESのマンツーマン指導の強み

 

必要に応じて、薬剤師国家試験予備校を利用し、専門的なサポートを受けることも検討しましょう。卒業試験や国家試験対策では、CES薬剤師国家試験予備校のマンツーマン指導が非常に効果的です。CESのマンツーマン指導の強みは以下の通りです。

 

個別対応が可能

マンツーマン授業では、個々の進捗状況や理解度に合わせた指導が可能です。これにより、苦手分野を重点的に克服し、短期間で効率的に学習を進められます。

 

質問しやすい環境

他の受講生を気にせず、疑問点をその場で解決できます。理解不足を放置することなく、自信を持って学習を進められます。

 

効率的な学習

授業内容が個人に合わせて調整されるため、集団授業や映像授業に比べて集中力を維持しやすく、効率よく学習できます。

 

学習計画のカスタマイズ

個人に最適化された学習計画を提供することで、卒業試験と国家試験の両方に対応するための最短ルートを構築できます。

 

まとめ

薬学部卒業留年生の国家試験対策は、通常の学生とは異なるアプローチが必要です。卒業試験と国家試験の両立を図りながら、効果的な学習計画を立てることが重要です。

CESのマンツーマン指導は、卒業試験と国家試験を同時に乗り越えるための最適な選択肢です。国家試験合格を目指す卒業留年生にとって、大きな助けとなるでしょう。