「化学」の勉強方法を徹底解説!薬剤師国家試験対策の重要ポイント

化学

 

薬剤師にとって化学は非常に重要な基礎科目です。薬学の根幹をなしており、出題数も多いため、しっかりと対策を立てる必要があります。化学分野の特徴として、「広範囲な内容を含む」、「計算問題が多い」、「基礎的な知識の応用が求められる」、「他の分野との関連性が高い」などが挙げられます。

具体的な勉強法

基礎の徹底理解

化学の勉強を始める際は、まず基礎をしっかりと固めることが重要です。高校化学レベルの内容から復習し、理解を深めていきましょう。

例えば、原子の構造と周期表、化学結合(イオン結合、共有結合、金属結合)、化学反応の基本(酸化還元反応、酸塩基反応)、有機化学の基礎(構造式、命名法)などがあり、これらの基本概念を理解することで、より複雑な内容への応用が容易になります。

 

関連分野との連携

化学は他の分野と密接に関連しています。特に以下の分野との関連性を意識しながら学習を進めましょう。

  • 物理学(熱力学、量子力学など)
  • 生物学(生化学、分子生物学など)
  • 薬理学(薬物動態、薬物代謝など)

これらの分野との関連性を理解することで、化学の知識をより深く、幅広く活用できるようになります。

 

計算問題への対策

化学分野では計算問題が多く出題されます。計算力を向上させるために、基本的な単位変換やモル計算を徹底的に練習し、pH計算、平衡定数の計算など頻出の計算問題を繰り返し解く対策を行いましょう。

計算問題は練習量が重要です。毎日少しずつでも計算問題に取り組むことで、着実に力をつけていきましょう。

生薬の重要性

生薬は薬剤師国家試験において最低1問は出題されます。その出題数の割に暗記が多く、苦手とする受験生も多いため、生薬をあきらめる方が結構います。適切な勉強法で効率的に学習することができれば、最低限の勉強で生薬を克服できます。

 

生薬成分の生合成経路の理解

生薬成分の構造を見て、どの生合成経路からできているかを即座に判断できるようにすることが重要です。例えば、特定の構造が見られたら、特定の経路という関連付けをしたり、経路ごとの特徴的な構造を覚えたりすると効果的です。

 

漢方薬の比較学習

よく出題される漢方薬については、比較しながら覚えると効果的です。

  • 当帰芍薬散:貧血、冷え、むくみ、めまい。妊娠中も使用可能
  • 桂枝茯苓丸:赤ら顔、のぼせ
  • 加味逍遙散:気分のアップダウンが激しい
  • 桃核承気湯:便秘
  • 半夏厚朴湯:喉に異物感。妊娠中も使用可能

 

構成生薬の暗記

各漢方薬の構成生薬は、オリジナルの語呂合わせを作ったり、インターネットで見つけた語呂を利用したりして覚えると良いでしょう。

 

副作用の把握

生薬の副作用は西洋薬と比較して少ないですが、代表的なものは症状やどの漢方薬に多く含まれているかなどの点を押さえて覚えましょう。

 

基原植物、科名、使用部位の暗記

これらの情報は替え歌で覚えると効果的です。大学の先輩から引き継がれた替え歌やYouTubeに投稿されている替え歌などを参考に通学時間などを利用して聴くと良いでしょう。

過去問の活用

過去問題を解くことは、出題傾向を把握し、自分の弱点を見つけるために非常に重要です。以下のステップで過去問演習を進めましょう。

  •  
    STEP1
    まずは2〜3年分の過去問を時間を気にせず解く
  •  
    STEP2
    間違えた問題や理解が不十分な問題をマークする
  •  
    STEP3
    マークした問題を重点的に復習する
  •  
    STEP4
    7年分程度の過去問を繰り返し解く

過去問を解く際は、単に答えを覚えるのではなく、なぜその解答になるのかを理解することが大切です。

模擬試験の活用

定期的に模擬試験を受験することで、自分の現在の実力を把握し、弱点を見つけることができます。模擬試験の結果を分析し、以下のように活用しましょう。

  • 正答率の低い分野を重点的に復習する
  • 時間配分の練習に活用する
  • 本番の試験形式に慣れる

まとめ

薬剤師にとって化学は、単なる基礎科目ではなく、日々の業務に直結する重要な知識基盤です。化学的思考は薬物療法の最適化や患者安全の確保に不可欠であり、薬剤師の専門性を支える重要な柱の一つと言えます。

薬剤師国家試験において、化学は薬学の基礎となる重要な分野です。しっかりと理解を深めることで、他の分野の学習にも良い影響を与えます。焦らず、着実に学習を積み重ねていくことが、合格への近道となります。

 

化学は薬学の言語であり、この言語に精通することで、より高度な薬学的ケアを提供することができるのです。薬剤師国家試験の化学分野対策は、基礎の徹底理解から始まり、計算問題への対策、過去問演習など、多岐にわたります。

ここで紹介した勉強法を参考に、自分に合った学習スタイルを見つけ、効率的に学習を進めていきましょう。

 

最後に、勉強法は人それぞれです。ここで紹介した方法を参考にしつつ、自分に合った方法を見つけ、継続的に学習を進めていくことが大切です。努力は必ず報われます。合格を目指して頑張りましょう。


著者プロフィール

CES薬剤師国試予備校 講師

アメリカの大学・大学院を卒業後、再受験にて薬学部に入学。再試・留年はなく、ストレートで国家試験にも合格。 卒業後は薬局薬剤師を経て、現在はCES薬剤師国家試験予備校の講師。 薬剤師国家試験のゴロサイト『ゴロナビ〜薬剤師国家試験に勝つ〜』を運営中