これで合格!薬剤師国家試験対策のプロが教える「青本・青問」の使い方

これで合格!薬剤師国家試験対策のプロが教える「青本・青問」の使い方

薬剤師国家試験を受験するほとんどの学生が国試対策参考書として薬学ゼミナールの「青本・青問」を使用しています。

ここに載っていない知識は、間違いなく他の受験生も知らないので、解けなくても心配する必要はありません。つまりこれさえ網羅すれば、合格に一歩近づくことができます。

青本・青問の構成

さて、2025年度版(第110回薬剤師国家試験対策)では、参考書である「青本」と既出問題・薬ゼミオリジナル問題が詰まった「青問」の2冊分がセットになっています。

問題集の「青問」には、過去7年分の既出問題と薬ゼミ模試の過去問などが収載されています。

青本の使い方

  • 「青本」を最初から読まない

薬剤師国家試験対策で絶対にしてはいけないこと、それは「青本を最初から読む」ことです。これは、英語の辞書を最初から読んで単語テストに挑むのと同じくらい無駄なことです。「青本」は、過去問を解く上で、それに関連する知識を得るために辞書代わりに使うのがベストです。分からないことが出てきたら、該当ページを確認し、周辺知識も一緒に覚えていきましょう。

青問の使い方

  • 必須問題から取り組む

必須問題は比較的得点を取りやすく、暗記すべき基礎知識を知るにはもってこいの問題です。必須問題をしっかり理解・暗記すると、全体像が見えてきます。

さらに、必須問題では足切りがあり、これで不合格になった方もたくさんいます。必須問題はできる限り満点を狙えるように対策をしてください。約7年分の既出の必須問題だけで言えば、問題数は7年分×90問=630問しかありません。多いと感じるかもしれませんが、理論問題や実践問題はもっと数も多い上に、難易度も高くなります。

最初から理論問題や実践問題から取り組むと自信を無くし、勉強自体やる気が起きない可能性があります。理論問題や実践問題にスムーズに移行するためには、まずは必須問題から取り組みましょう。

  • 正答率の高い問題を必ず解けるようにする

薬学ゼミナールの総評論によると、過去の国家試験での正答率70%以上の問題数は200問前後あるとのことで、さらに正答率60%以上の問題数となると230問前後ありました。何が言いたいかというと、幅広い知識が必要とされる薬剤師国家試験ですが、難しい問題が解けなくても、正答率60%以上の問題さえ全て正答できれば合格できる試験だということです。

正答率が高い問題は、ほとんどの受験生が解ける、つまり知っておかなければならない知識ということなので、後回しせずに優先的に勉強していくことをオススメします。「青問」には正答率が記載されてあるので、正答率60%以上の問題を先に解いていきましょう。

  • 出題率の多い領域を優先的に勉強

薬剤師国家試験の出題傾向は、どの分野からも均等に出題されるわけではなく、病態・薬物治療・薬理・薬剤など現場に出たときに重要な分野に大きなウェイトが置かれています。つまりこの4分野を優先的に勉強する必要があります。これらの分野は連問が多いので、関連知識はすぐに出せるように整理するようにしてください。

現役生の年間スケジュール

現役生は4月から国家試験対策を開始した場合、就活、卒論、卒試があり、国試対策に割ける時間は半年もありません。そのため、効率よく勉強する必要があります。

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    4月~6月
    必須問題・理論問題の演習開始
    必須問題から対策することで、足切り対策にもなるし、自信にもつながります。知識を定着させ、理論問題・実践問題にスムーズに進めるようにしておきましょう。同時進行で理論を開始してもOKです。
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    7月~9月
    理論問題の演習・知識定着
    必須問題で定着させた知識をさらに広げて行きましょう。理論問題を解くことで詳しい知識を追加して、9月にある統一模試①に向けて幅広い知識を付けていきたい時期です。
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    10月~12月
    実践問題の演習開始
    実践問題は、理論問題と同時進行で解いても良いと思います。12月までには青問を最低1周はしておきたいものです。
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    1月~国家試験前日
    復習に徹する
    今まで勉強した知識をいかに忘れないかが重要になります。とにかく高速で問題を解いて、復習を徹底しましょう。

浪人生の年間スケジュール

浪人生に関しては前年にどれだけ勉強したかにもよるのですが、現役生と比べると4月からしっかりとした国家試験対策ができます。ほとんどの人が国家試験の過去問題は既に解いていると思うので、忘れている知識を最初の時期に取り戻しておきましょう。

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    4月~5月
    必須問題・理論問題の演習開始
    現役生と同じで、まずは必須問題で、同時進行で理論問題にも取り掛かります。浪人生なので、2ヶ月ほどで必須問題を解き、知識を定着させます。
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    6月~8月
    理論問題の知識定着・実践問題の演習開始
    理論問題をたくさん解いて問題に慣れておいてください。実践問題は、理論問題と同時進行で解いても良いと思います。
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    9月~10月
    実践問題の演習
    10月までには青問を最低1周はしておきたいものです。
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    11月~国家試験前日
    復習に徹する
    今まで勉強した知識をいかに忘れないかが重要になります。とにかく高速で問題を解いて、復習を徹底しましょう。1月の模試で240点前後を取り、自信を持って国家試験に挑める状態にしておくのがオススメです。

国試問題の理解に役立つオススメ参考書

薬がみえるvol.1

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「神経系の疾患と薬」「循環器系の疾患と薬」「腎・泌尿器系の疾患と薬」「漢方薬」について説明されています。

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薬がみえるvol.2

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「代謝系の疾患と薬」「内分泌系の疾患と薬」「産婦人科系の疾患と薬」「血液系の疾患と薬」「免疫・炎症・アレルギー疾患と薬」「呼吸器系の疾患と薬」「眼・耳・皮膚の疾患と薬」について説明されています。

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薬がみえるvol.3

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「消化器系の疾患と薬」「感染症と薬」「悪性腫瘍と薬」について説明されています。

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薬がみえるvol.4

薬がみえるvol.4

「薬力学」、「薬物動態学」、「相互作用」、「製剤学」、「薬剤の使用と実務」について説明されています。薬物動態学の計算は、式の成り立ちから使い方までしっかりガイドされており、製剤学の基礎から製剤の分類・工夫なども分かりやすく解説してくれています。3年生で薬物動態学や製剤学を勉強する際には、持っておいても良い一冊です。

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まとめ

・必須問題をまず攻略
・出現率が高い問題や正答率の高い問題を優先的に解く
・参考書は最初から読まず、辞書として使用

 

 

 
著者プロフィール

CES薬剤師国試予備校 講師

アメリカの大学・大学院を卒業後、再受験にて薬学部に入学。再試・留年はなく、ストレートで国家試験にも合格。 卒業後は薬局薬剤師を経て、現在はCES薬剤師国家試験予備校の講師。 薬剤師国家試験のゴロサイト『ゴロナビ〜薬剤師国家試験に勝つ〜』を運営中