現役薬剤師が教える薬剤師国家試験合格のための「模試の活用法」と「戦略的学習計画の立て方」
1.模試の重要性
薬剤師国家試験の模試は受験生にとって非常に重要な役割を果たします。模試は単なる点数評価ではなく、現状把握と改善点発見のツールであり、受験勉強の重要な一環として位置づけるべきです。
目的意識を持って臨み、結果を丁寧に分析することで、合格への道のりがより明確になるでしょう。結果に一喜一憂せず、冷静に分析することが重要です。
現状把握と目標設定
模試を受けることで、自分の現在の学力レベルを正確に把握することができます。これにより、
- 合格点との実力差を測定し、合格に必要な努力の程度を明確にできる
- 得意・苦手分野を特定し、効率的な学習計画を立てられる
- 他の受験生との相対的な位置を知ることができる
などの利点があります。
試験環境への適応
模試は本番の薬剤師国家試験に近い環境・時間帯で行われるため、
- 特殊な試験環境に慣れることができる
- 時間配分の練習ができ、長時間の試験に慣れることができる
- 緊張感を体験し、本番での実力発揮につながる
などの効果があります。
弱点発見と学力向上の機会
模試は単なる評価の場ではなく、学力を伸ばす絶好の機会となるため、復習する際は注意して取り組むことが重要です。模試中から復習を意識し、解答中に気づいたことをメモしておくのもおススメです。
受験後は、間違えた問題を徹底的に復習し、出題傾向や解法のポイントを学びます。その際に弱点を発見したら即座に対策を立てるようにしてください。
模試の結果を有効活用するためには、目標設定や見直しが重要で、模試当日または翌日には自己採点を行い、間違えた問題を集中的に復習することで、学力向上につなげることができます。
2.各予備校模試の特徴
薬剤師国家試験の模試には、薬学ゼミナール、メディセレ、ファーマプロダクトの模試があり、それぞれに違いがあります。
薬学ゼミナール
薬学ゼミナールの模試は、最大規模の受験者数を誇り、全国平均と自分の点数を比較しやすいというメリットがあります。 受験後に渡される成績表は、平均との比較や強化すべきポイントが一目でわかるようになっており、見やすいのも特徴です。 薬剤師国家試験を予想したオリジナル問題を出題し、毎年的中問題が多く、禁忌肢問題を導入しています。著者は薬ゼミの模試しか受験したことがありませんが、国家試験と同じだと思ってしまうくらい、問題が類似していました。
メディセレ
メディセレの模試問題は、国家試験の傾向を反映して作成されており、過去問をベースにしつつ、新傾向の問題も含まれています。この組み合わせにより、実際の国家試験に近い難易度と内容の模試が提供されています。
さらに、メディセレはAI模擬試験という画期的な模試も導入されています。これは、平均50問の出題で平均90分かけて問題を解き、学生の解答に基づいてAIが結果を予測し、2日間の模試を受けたのと同様に全345問の解答を判定してくれる模試です。 短い時間で弱点を把握できるため、時間を有効活用するために他の模試と併用するものよいでしょう。
ファーマプロダクト
ファーマプロダクトの模試は、国家試験の出題傾向を反映して作成されており、過去問をベースにした問題や新傾向を取り入れた問題が含まれています。 講師歴10年以上の経験豊富な講師陣が模試問題を作成しているため、質の高い問題が提供され、学生の実力を適切に評価することができます。実際の国家試験と同様の問題が多数出題されており、的中率は高いと言えます。
各予備校の模試は国試の分析方法や重視するポイントが異なります。薬学ゼミナールは規模が大きく比較しやすい一方、ファーマプロダクトは難易度が高く応用力を試す傾向があります。メディセレは過去問と新傾向のバランスを取った出題をしています。模試の選択は、自分の学習スタイルや目標に合わせて検討することが重要です。
3.模試の分析と活用
模試は薬剤師国家試験合格への重要なステップです。適切に活用することで、効果的な試験対策が可能となり、合格への道のりがより明確になります。
まず、模試が終わった直後にしてほしいことが見直しです。問題の記憶が新しいうちに復習することで、効率的に学習できます。模試を受けたら受けっぱなしではなく、しっかりと復習して、模試を良質な問題集として活用してください。初見で解けなくても、復習して理解を深めることが重要です。
では、その分析・活用方法を紹介したいと思います。
科目別点数分析 | 得意・不得意分野を明確にし、効率的な学習計画を立てます。 |
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間違い復習 | 予備校の参考書や教科書を用いて、なぜ間違えたかを深く掘り下げます。 |
弱点克服計画 | 特定の問題や分野に時間を割き、次回の模試又は国家試験本番でのスコアアップを目指します。 |
目標設定 | 現状を踏まえた現実的な目標を設定します。例えば、「実践の実務問題を5点上げる」など具体的な目標を立てます。 |
模試は単なる成績評価ではなく、効果的な学習ツールとして活用することが重要です。結果を冷静に分析し、弱点を克服する計画を立て、基礎から応用まで段階的に学習を進めることで、薬剤師国家試験合格への近道となります。しっかり対策し、合格を勝ち取りましょう。
CES薬剤師国試予備校 講師
アメリカの大学・大学院を卒業後、再受験にて薬学部に入学。再試・留年はなく、ストレートで国家試験にも合格。 卒業後は薬局薬剤師を経て、現在はCES薬剤師国家試験予備校の講師。 薬剤師国家試験のゴロサイト『ゴロナビ〜薬剤師国家試験に勝つ〜』を運営中