「実務」の勉強方法を徹底解説!薬剤師国家試験対策の重要ポイント
実務は薬剤師国家試験において最も出題数が多い科目であり、得点源として非常に重要です。
第106回〜第109回の薬剤師国家試験の分析によると、実務の問題数は全体の約25%を占めており、この科目で高得点を取ることが合格への近道となります。
そして、実務は薬剤師の日常業務に直結する内容を扱うため、現場で働く上でとても重要になります。主な学習項目は、服薬指導、処方提案、薬物相互作用、チーム医療、がん治療、感染症対策、調剤業務に関する計算などがあり、これらの項目は他の専門科目との関連性が高いのが特徴です。
例えば、薬理学や薬物動態学の知識は服薬指導や処方提案に活かされ、薬剤師の職能を発揮するためにとても必要になっています。 複合問題が多いため、他の科目との関連性を意識しながら学習しましょう。
さらに、必須問題と実践問題の両方に対応できるよう、基礎から応用まで幅広く学習し、計算問題や法規・制度に関する問題にも十分に対応できるよう準備しておくことが重要です。
1.効果的な勉強法
基礎知識の習得
実務の学習を始める前に、薬理学、薬物動態学、病態生理学などの基礎科目をしっかりと理解しておくことが重要です。これらの科目は1〜3年次に学習しますが、実務との関連性を意識しながら復習することで、より効果的に実務の知識を吸収できます。
実務実習の活用
5年次に行われる病院・薬局での実務実習は、実務科目の理解を深める絶好の機会です。実務実習は、国家試験での実務問題を解く上でとても大切です。ここでしっかりと現場での実務を学んでおきましょう。実習中は以下の点に注意しましょう。
- 日々の業務と教科書の内容を結びつける
- 疑問点はその場で指導薬剤師に質問する
- 実習日誌を丁寧に記録し、後で復習に活用する
問題演習の重視
実務科目は知識の暗記だけでなく、実践的な応用力が問われます。そのため、問題演習を重視した学習が効果的です。問題演習のポイントとして、
- 過去問題を繰り返し解く
- 間違えた問題は必ず見直し、なぜ間違えたのかを分析する
- 類似問題を探して解くことで、知識の定着を図る
などがあり、このような学習の基本をできていない学生が実は多いので、これらのポイントに注意しながら丁寧に知識を増やしていきましょう。
計算問題への対策
実務科目には調剤業務に関する計算問題が多く出題されます。計算問題は苦手とする学生も多いですが、以下の方法で克服できます:
- 基本的な計算式を暗記する
- 単位換算を素早く行えるようにする
- 時間を計って問題を解く練習をする
2.模擬試験の活用
定期的に模擬試験を受験することで、自分の弱点を把握し、実践的な問題解決能力を養うことができます。模擬試験後は以下の点に注意しましょう:
- 間違えた問題の徹底的な復習
- 時間配分の見直し
- 他の受験生との得点比較による自己位置の確認
3.学年別の実務学習のポイント
低学年のうちから実務科目を意識した学習を心がけましょう。
基礎科目を暗記に頼らず理解して覚えるようにしましょう。この時期に勉強方法や習慣を身に付けておくことが重要です。
専門科目の学習が始まります。薬理学など暗記が膨大な科目では、ゴロなどを使って工夫して覚えましょう。
薬物動態学など計算が多い科目が加わります。基礎的な計算はできるようにしておきましょう。
実務実習に向けた準備期間です。CBT(Computer Based Testing)とOSCE(Objective Structured Clinical Examination)の対策が中心となります。
- CBT対策:基礎科目の総復習と実務に関する基本知識の習得
- OSCE対策:調剤技術や患者応対のスキル向上
CBTとOSCEは、5年次の実務実習に進むために必須の試験です。1年生から身に付けてきた勉強方法や習慣を通して、コツコツと早めに対策をしましょう。
実務実習が中心となります。実習で得た経験を、国家試験の実務問題解決に活かせるよう意識しましょう。
- 実習中の経験を細かくノートにまとめる
- 実習後は経験を体系的に整理し、国家試験の出題傾向と照らし合わせる
実務実習の期間は、座学での勉強の習慣が無くなることがあります。そのため、実務実習以外の時間は、国家試験の必須問題だけでも自主的に勉強しておくと、6年生になった時に苦労せずに済みます。
国家試験対策の総仕上げの時期です。実務科目に多くの時間を割くことが重要です。
- 過去問題の徹底的な分析と解答
- 弱点分野の集中的な学習
- 模擬試験を活用した実践力の向上
多くの大学で6年生への進級テストが課されるようになりました。その試験内容も確認して対策を立てるようにしましょう。
まとめ
実務の学習は、薬剤師として必要な実践的な知識とスキルを身につける重要な過程です。基礎科目との関連性を意識しながら、問題演習を中心とした学習を進めることが効果的です。
また、実務実習での経験を最大限に活用し、常に最新の医療情報にアンテナを張ることで、より深い理解と応用力を養うことができます。
実務は最初のうちは伸び悩むかもしれませんが、他の科目との結びつきを意識して、冷静に問題文を読むと解けるようになるので、コツコツ勉強していきましょう。
継続的な努力と実践的なアプローチにより、実務科目を得点源とし、薬剤師国家試験合格への道を切り開くことができるはずです。
CES薬剤師国試予備校 講師
アメリカの大学・大学院を卒業後、再受験にて薬学部に入学。再試・留年はなく、ストレートで国家試験にも合格。 卒業後は薬局薬剤師を経て、現在はCES薬剤師国家試験予備校の講師。 薬剤師国家試験のゴロサイト『ゴロナビ〜薬剤師国家試験に勝つ〜』を運営中