「物理」の勉強方法を徹底解説!薬剤師国家試験対策の重要ポイント
01、理解中心の範囲から始める
物理の基礎を固めるには、まず理解を中心とした範囲から始めることが重要です。熱力学、反応速度論、酸と塩基などの基本的な範囲は、長期的に役立つ知識となります。これらの範囲では、概念をしっかりと理解した上で暗記し、基礎を固めることが大切です。
例えば、熱力学では「エンタルピー」や「エントロピー」といった概念を自分なりの言葉でかみ砕くことが理解への第一歩となります。エンタルピーを「系が持つ熱エネルギーの総量」、エントロピーを「系の乱雑さの指標」と捉えることで、これらの概念をより身近に感じることができます。
反応速度論では、反応の速さに影響を与える要因(温度、濃度、触媒など)を理解することが重要です。日常生活でも観察できる現象と結びつけて考えることで、より深い理解が得られます。
02、計算力を強化する
実は薬学生の中には指数・ 対数の計算が苦手な方が結構います。薬剤師国家試験の物理では、これらの指数 対数の計算問題が多く出題されるため、瞬時に計算できるようにする必要があります。
計算力を強化するためには、以下の方法が効果的です。
- 計算ドリルの活用:指数 対数計算に特化したドリルを繰り返し解く
- 動画教材の利用:視覚的な解説を通じて理解を深める
- 日常的な練習:スマートフォンアプリなどを利用して短時間の計算練習を行う
- 実践的な問題演習:実際の試験で出題されるような計算問題を解く
これらの方法を組み合わせて、四則計算・(足し算・ 引き算・ 掛け算・ 割り算)と同じくらい当たり前にできるようにしましょう。
03、出題頻度の高い範囲に集中する
試験で頻出する範囲に重点を置いて学習することも重要です。例えば、クロマトグラフィー、NMR、分光分析法などは頻出範囲なので、重点的に学習しましょう。
クロマトグラフィーでは、液体クロマトグラフィー(LC)とガスクロマトグラフィー(GC)の特徴を押さえておくことが重要です。
LCでは固定相の違いによる様々なモード(吸着型、分配型、イオン交換型など)を理解し、GCでは検出器の違い(TCD、FID、ECDなど)による特性を把握しましょう。
04、用語の理解に注力する
物理では、専門用語の説明を問う問題が見られます。分からない専門用語が出てきた場合は、その意味を一つずつ調べ、自分の言葉で説明できるようにしましょう。
例えば、反応速度論では「ミカエリスメンテン式」「定常状態近似」「活性化エネルギー」「触媒」などの用語が頻出します。これらの用語を理解し、具体的な用途と結びつけて説明できるようにすることが効果的です。
05、分析法の原理を理解する
各分析法の原理をしっかりと理解し、基本的な問題に答えられるようにしましょう。IR・(外分分光法)、プロトンNMR(核磁気共鳴法)、マススペクトルなどのスペクトル解析は重要な出題分野です。
- IR:分子の振動エネルギーを測定し、官能基の同定に有用
- プロトンNMR:磁場中での水素原子核のスピン状態の変化を測定し、分子構造の決定に有用
- マススペクトル:イオン化した分子の質量電荷比を測定し、分子量の決定やフラグメンテーションパターンの解析に使用
これらの分析法の原理を理解することで、未知の問題に対しても論理的に考え、解答する力が身につきます。
06、過去問を深く学ぶ
過去問を解く際は、周辺知識も含めて学習することで応用力が身につきます。過去問学習のポイントは以下の通りです。
- ① 時間を計って解く
- ② 解答 解説をしっかり読む
- ③ 間違えた問題は繰り返し解く
- ④ 類似問題を探す
- ⑤ 出題傾向を分析する
これらのポイントを意識しながら過去問に取り組むことで、実戦力を養うことができます。
07、具体的かつ細かくテーマを分ける
物理の範囲を細かく分けて、具体的に学習することで理解が深まります。例えば、熱力学のみの試験があったとしても「理解」→「理解&暗記」→「暗記」の小範囲に分けて勉強していくと良いでしょう。
- ① 理解段階:基本概念の把握、公式の意味理解
- ② 理解&暗記段階:公式の適用範囲の確認、典型問題の解法習得
- ③ 暗記段階:重要公式の暗記、解法のパターン化
このように段階を分けることで、効率的に理解を深めることができます。また、各段階でどこまで理解できているかを自己評価することで、弱点を把握し、重点的に学習することができます。
08、まとめ
物理の勉強法は、理解中心の範囲から始め、計算力を強化し、出題頻度の高い範囲に集中することが重要です。
また、用語の理解に注力し、分析法の原理を理解し、過去問を深く学ぶことで応用力を身につけることができます。これらの方法を組み合わせて、自分に合った学習スタイルを見つけることが大切です。
物理は積み重ねの学問なので、基礎的な部分でつまずいたままにしないことが重要です。疑問点を放置せず、その都度解決していくことで、着実に理解を深めていくことができます。
CES薬剤師国試予備校 講師
アメリカの大学・大学院を卒業後、再受験にて薬学部に入学。再試・留年はなく、ストレートで国家試験にも合格。 卒業後は薬局薬剤師を経て、現在はCES薬剤師国家試験予備校の講師。 薬剤師国家試験のゴロサイト『ゴロナビ〜薬剤師国家試験に勝つ〜』を運営中