【薬たまコラムvol.3】薬学部4年次の関門!CBT・OSCE対策

4年生CBT・OSCE対策

 

いよいよ始まる!薬学部4年生CBT・OSCE対策

 こんにちは。秋もあっという間にすぎ、そろそろ本格的な冬の到来ですね。

 冬といえば、各大学でそろそろ4年生は、CBT、OSCE(薬学共用試験)が行われる時期ではないでしょうか。

 CBTやOSCEは、薬学部が4年制から6年制に移行する際に導入された試験です。5年生で実施される病院と薬局での実務実習に備え、その実習開始前(4年生の12月〜1月頃)に、これまで学んできた技能や知識の修得度を確認するための試験として、2009年12月より導入されました。

 この試験に合格できなければ、5年生で実務実習を受けることができません。これまでの知識や技能をはかる試験ですから、一夜漬けで勉強するというような方法はおすすめできません。前もってしっかり対策をして試験に望む必要があります。

 そこで今回は、今からやるべきCBT、OSCE対策についてご紹介しましょう。

 

(1)CBT、OSCEとは?難易度は?

 CBTとOSCEは、それぞれ、CBTが知識を問う試験、OSCEが技能を試す試験とされています。試験の目的は、選抜するためというよりも、一定レベルの知識と技能を持って実務実習に臨むためのテストです。したがって、薬剤師国家試験よりも難易度は低めです。合格率も約97%以上と高いので、必要以上に恐れることはありません。

 特にCBTに関してはパソコンで5択問題に解答していく方式です。しかも国家試験のように科目ごとの足切りもなく、総合で60%以上得点できていれば合格できるので、得意分野で点数を稼ぐことがポイントです。

 これまで4年間、真面目に講義を受け、定期テストをこなしてきた学生さんであれば、要点をおさらいすれば、定期テストやレポートと併行してこなせます。

 しかし、出題数が多く、1問あたり1分程度で解答していかねばなりませんので、幅広い知識と即答できる訓練も必要となります。これまで定期テストは再試験が多かったという方や、ギリギリで合格してきた科目が多いという方は、要点をおさえて効率よくCBT、OSCEの対策をしていったほうが良いでしょう。

 

(2)CBTの勉強方法や試験対策について

 まずCBTですが、過去問などは公開されていませんが、CBT用の問題集や要点集が出版されていますので、それを最低2周は解いておきましょう。また、実施日が近づくと、大学からパソコンの操作を体験するCBT体験受験の案内がされますので、体験受験には必ず参加し、出題傾向や答え方、操作法などを把握しておくと心強いでしょう。

 CBTはゾーン1(物理、化学、生物系)、ゾーン2(薬理、薬剤、情報系)、ゾーン3(健康と環境、薬学と社会、実務など)の3つの分野に分かれ、全部で310問が出題されます。これらの分野の中で、最も出題数が多いのは薬理ですので、薬理を重点的に勉強し、基礎をしっかり理解しておくことが大切です。一方、情報系や生薬など出題数が少ないのに範囲が広く、ヤマを張りにくい分野は、基礎だけさらっと流し、後回しにしましょう。

 

(3)OSCEの勉強方法や対策について

 OSCEは、薬剤師としての技能や態度、薬剤師としての適正をはかるための試験です。

1、患者・来局者応対:1題
2、薬剤の調製:2題
3、調剤鑑査:1題
4、無菌操作の実践:1題
5、情報の提供:1題

 これら5つの領域から計6題が出題されます。実際に指示された通りに薬剤を調製したり、模擬患者と応対したりして、総合的に薬剤師としての適性を評価する試験です。薬学生の皆さんにとっては、初めての評価が伴う実技試験となるわけため、緊張される方も多いです。

 しかし、OSCEは加点方式なので、もしも間違えても、焦らずにそのブースでのテストを制限時間内に指示されたところまで終わらせれば大きく減点されることはありませんのでパニックにならないよう、落ち着いて取り組みましょう。

 これまで大学で学んできた実習テキストを熟読し、セリフや手順を丸暗記するくらい、体に叩き込んで覚えるのがコツです。

 

(4)まとめ

 いかがでしたか。薬学共用試験は落とすための試験ではありません。しかし範囲が広いので、じっくり1年以上かけて準備に取り組むのがベストです。

 定期テストやレポートに追われる中、効率よく勉強するためには、CBTについては予備校の模擬テストや問題集を上手に活用しましょう。OSCEについては友人同士でロールプレイをするなどして、仲間と協力して取り組んで見てはいかがでしょうか。

 薬学部受験を考えている高校生、中学生にも薬学部のことを知ってもらえればと思います。